河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

住み替える家8

住み替えなので、住む先も同時に探していました。

ネットで見ていた駅近のビルは、元々興味がありサイトに掲載していた大手不動産会社に連絡したのですが交渉中との事で、もし決裂したら連絡ください、と言ったまま、何の音沙汰もなかったのです。マンションを売って買い替えている事も伝え、最初に査定をもらったのもこちらの不動産会社でした。査定後も何も連絡はなく、ずいぶんのんびりした会社だとわかるのは、他の不動産会社を当たってからでした。

 

Sさんの会社からもらった物件情報の中に、そのビルが入っていました。さっそくSさんを通して聞いてもらうと、交渉していた先とは契約までいかずまだ売却中との事で、さっそく内見の予定を入れてもらいました。この時点で決裂後に連絡をくれてない事に少々不信感がありましたが、ともかく見にいける事になりました

 

ビルに伺ったところ、売主側の担当者の名刺をみるとメールでやり取りしていた方のようでした。知ったか知らずかわかりませんが、若干バツの悪い感じではあります

ビルは確かに古いのですが、現在おばあさんが一人で住んでいるとの事で、そのままでも生活できるものでした。元々動物病院で、廃業後診察室は事務所として使っており、1階が低いのは駐車場となっているからだそう。地下には動物を入れておく檻があり、私は感じなかったのですが動物臭さが残っているとの事

地下から4階まであるので、部屋数も多く、屋上からは大通りと駅の出口が見えて、場所としては最高でした。その分建物の古さや広さに対して価格は高めで、リフォームまで考えるとかなり厳しいところではありました

一番のネックとなってしまったのは、隣地との境界線が確定しておらず、かつ隣地との間の通路を塞ぐ形で縦長の看板が据え付けてあり、測量もままならないとの事

購入するつもりで大手銀行のローンまで通したのですが、その条件の中に境界確定が必須となっていたのです。万が一も考えて境界確定しなくてもローンが降りるところも探してもらったのですが、大手は軒並みNGで、唯一降りたのはゆうちょ銀行でした。ゆうちょと言いつつ、実際はスルガ銀行が引き受けるもので金利は高く、支払いを考えるとかなり厳しいものでした

 

結局この物件は諦める事になります。しかし、もし最初に売却見積もりをもらった時、そのまま進んでいたら売主買主同じ会社で買っていたのかな、とも思います。最終的には売るのも買うのもSさんの会社からとなったからです。そう考えると、巡り合わせというかタイミングというか、はたまた担当者次第というか、運の要素も大きいのかな、と思います

 

 

 

住み替える家6

前回書いてから、ずいぶん間があいてしまいました。仮住まいからリフォーム後の我が家へ引っ越しして、店舗もオープンしました。とにかく荷物が多いので、すでに家の中が雑然としています。

店が出来るまで待ってもらっていたリフォーム会社のインタビューがあるのに、片付けが一向に進みません…

 

マンション売却スタートとなる最初の内見は、空振りで始まりました。ドキドキしたがら待っていたのですが、直前に担当営業のSさんから「マンションの下まで来たのですが、窓の向きが気に入らないので見るのをやめた」との連絡。この方はお医者さんだったらしいのですが、窓の向きなんて図面でもわかるし、また現地でみるのとは印象も変わるはずですが、とにかくもういいとの事。ずいぶん傲慢だなと思ったのですが、後々考えると最初から興味がないのに漫然と見られるよりは良いと思ったりもしました。

 

次は同じマンションに住むというご夫婦で、結構熱心に見学されて期待が持てるものでした。音楽を職業にされているらしく、廊下側の部屋を防音室にしたらどうか、など具体的な話もあり、また同じマンション内なので勝手もわかるし、これはいけるのでは、と期待したのですが、その後連絡はありませんでした

 

同じフロアで賃貸されている方が来て、賃貸とは内装が違うと驚いていたり、この辺りを何件も回っているらしく最初の印象で興味ないのが丸わかりだったり、他の物件で決まりかけているが、どうしても見たいとの事で会社帰りの夜に内覧があったりと、件数は多いものの具体的に進む事がなく、少しずつ焦りだしました

こちらも物件を探しているうちに、駅1分の元々動物病院だったという古いビルが気に入り、購入に向けて動きだしていた事もあり、Sさんと相談して売却価格を下げて反応を見る事にしました。

住み替える家7

 結局買わなかった戸建ての内覧担当だったSさん。実は最初にコンタクトを取った時には別の人とやりとりしていたのですが内覧当日に変わったのですが、結局この物件の話よりも住んでいるマンションの売却の方に重点が移りました

 そのまま自宅のマンションまで来てもらい、売却に話すこと約半日

 買い替えなので、最もよいのは「マンション売る→物件買う→引越」ですが、「マンションが売れない」「マンション売れたけど物件買えない」「物件買ったけど売主の引越がだいぶ先」等色々と想定されます。Sさんと話す中でとにかく「マンション売る」が先行しないと、良い物件があった場合に身動きが取りづらくなるという事がわかりました

 売主の立場に立つと、「マンションが売れないと買えない買主」と「直ぐに支払ってくれる買主」がいて価格等他の条件が一緒ならば、当然後者を選ぶはずです。マンションが売れなければ買うことも出来ない為、売主は買主のマンションが売れるまで待たなければいけません

 また、この時は年末だったのですが、これから4月にかけて売買が一番多くなる時との話もありました。やはり4月は進学や異動があるので売り買い共に取引が旺盛になるとの事

 そういうわけで、3月までの3ヶ月間専属専任媒介契約を結ぶことにしました。実はその後に他の不動産屋ともアポイントを取っていた事もあり、また駅直結のマンションで売りにくいということもないのではないかと考えていたので専属専任ではなく一般でもよいかと考えていました

 しかし専属専任でない場合売り方も力が入らない事、各不動産の情報を自分で整理する必要があり、例えば内覧があった場合などに煩雑になる事、加えてどちらにせよレインズやスーモなどには登録される為、他の不動産屋からの問い合わせもあるし、いわゆる「囲い込み」はしないとの事で、専属専任媒介契約とする事にしました

 そして売り出し価格は、売り急いでいない事もあり査定額を500万は超える価格で売り出すことに。買った時のおよそ倍の値段です。さすがにこの金額は高すぎるのではとは思うものの、上階がもっと強気の坪単価で出してる事もあり、この値段で売り出すことに決めました

  内覧を迎えるにあたり、色々とアドバイスを受けました。特に参考になったのは次の2点です

  • 水回りは皆気になるので特に気をつけて掃除する
  • 内覧の時は全部屋照明を点ける

 水回りが汚いと購入意欲が一気に下るのは実感としてわかりました。特に排水口あたりがキレイになってないと、うまく排水できないんじゃないか、とか配管に問題があるのではとか考えてしまいます。壁や床など目に見える部分を直すのは簡単に想像できるのですが、配管などはほどんど目に触れないにもかかわらず生活に直結する部分なので、駄目になっていた時のダメージは計り知れないように思います

 トイレや浴室まで全部屋照明をつけるのはイメージアップにつながりました。ポートレイトを撮るのに照明で白く飛ばすのと同じかと思います

 

水回りの掃除はやったのですが、ユニットバスの床が黒ずんでいて全然落ちなかったので、清掃業者を呼んでやってもらうことにしました。若い二人組だったので大丈夫かと思ったのですが、専門業者だけあって黒ずみがほどんどわからないくらいキレイになりました

住み替える家5

買いたい物件が空振り、そして三軒目の内覧とマンション売却開始

次の候補物件は前回見た蕎麦屋とは正反対の方向の私鉄沿線沿いの元人形屋のビル。

縦長ではあるもののとにかく広く、生活するには十分。大通り沿いで駅からも近く、価格も手頃でした。

と、図面上は言う事なしだったのですが、結局見に行くことができませんでした。

とにかく持ち主との都合がつかず、内覧は平日か日曜じゃ無いと駄目、日曜もギリギリまで予定がわからずと、すれ違いっぱなしでいつの間にか話が流れてしまいました。

 

自分がマンションを売り出した時は、なるべく多くの人に見てもらって確率をあげようと、平日の夜8時から見たいと当日言われたのも受け入れた事がありました。個人的には売り出しには色んな事情はあるにせよ、本当に売りたいのであれば購入見込み客の多少のワガママに付き合うのも仕方がないと思うのですが、そのあたりは人それぞれの考えなのでしょうね。

 

次に気になったのは、会社に近い地下1階地上5階のビル。値は張りますが買えない値段ではなく、その分古い。駅徒歩1分。大通りから目立つ。

早速仲介の大手不動産に連絡しますが、まずもって言われたのは1階が駐車スペースなので天井が低すぎて店は無理だとの事。問い合わせは多いが、皆それで諦めているという話でした。加えて現在交渉中で決まりそうだとの事であえなく却下。ついでにマンションの査定も頼んで、それなりの金額で出てきたのですが、目的の物件が買えないので、そのまま話が終わりました。

この物件、そのまま終わるかと思いきや、2017年8月の今でも売れていません。

その時交渉中だった業者は更地にして建て替えるつもりだったらしいですが、頑丈に杭が打ってあるらしく、解体に思った以上の費用がかかる事がわかったので、値引きを要請したものの決裂したそうです。

交渉が決裂したら連絡をくださいと言ったにも関わらず連絡はなく、結局他の不動産仲介を通じて内覧もし、購入直前までこぎつけるのですが、それは後のお話。

一言添えると、この一連の流れでこちらの大手不動産には良い印象がまったく無くなってしまいました。マンションの売却もこちらにお願いしていれば、この物件を買えた可能性もあったと思いますが、このあたりは担当者の当たり外れだったのかなと思います。

 

次に見に行ったのは、会社から徒歩で通える距離で、広さも価格もまあまあという戸建てでした。駅から徒歩8分で商店街の奥ではありますが、会社まで徒歩10分くらいというのがとにかく魅力でした。

これまでの仲介は大手では無い所がほとんどだったのですが、ここは大手が仲介でした。もともとマイナー志向なので大手不動産仲介は高そうだし、そもそも大手では店舗兼住居というニッチな物件を扱っていないのでどうかなと思っていたのですが、今思うと大手は大手だけあって、安心感が半端ないです。不動産仲介の手数料は法律で決まっているので大手も中小も同じ額ですし、銀行とのやり取りもお願いできてスムーズです。もちろん、その分お金は掛かっていますが、最終的には新居の火災保険や賃貸の紹介もお願いしており、とにかく不動産関係の話はワンストップで済んでしまうのでのちのち楽でした。

物件は通りから私道を入った真ん中の家で、1階はデザイン会社の事務所になっていたとの事。とにかく広くて、デザイン会社だけあって本棚もあり、そのままブックカフェが開けそうな感じでした。2階3階も生活するには十分な広さ。

良い事ずくめで、値段もこの場所と広さにしては安めなので、何かあるのかと訊いた所、一つは私道であること、もう一つは実は隣と境界についてちょっと揉めているとのこと。また、お互いに屋根が越境しており、隣の建物自体も古くて寄りかかってきているので、建て替えやリフォーム等、何か工事をする際にはお互いに確認書が必要になると思われるのですが、隣は空き家で所有者も遠くに住んでいる為、簡単にはもらえそうにないという事があり、その分も価格に反映されているという事でした。

 

店をやるには前面が私道はちょっと近隣と揉めそうという事に加えて、境界の点も気になった為、この物件も見送る事になりました。

後に訊いた所、中国人の方が購入されたそうで、リフォームせずにそのまま住むなら境界や確認書を気にしなくてよいし、外国人だからこそ権利関係もあまり気にしないのかな、とも思いました。

 

そして、この時の物件担当であったSさんに、マンション売却のお願いもすることになります。結局、最後の最後までSさんのお世話になりっぱなしになりました。結局、不動産といえども、担当営業の影響は大きいと思います。

住み替える家4

物件の条件

一軒目を内見して勢いが付き、毎日のようにサイトを検索しつづけましたが、なかなか条件に合うような物件が出てきません

大体の条件としては以下のようなものでした

  • お酒も出すブックカフェのような店が出来る
  • 駅に近い、もしくは大通り沿い
  • 店舗併設可
  • 住宅部分は親子三人で住める広さ

「店をやる」にあたっては、そんなにがっつり商売をやるわけではないとはいえ、やはり人通りがありそうなところに出したほうがよいという感覚です

加えて、この後住宅地の真ん中の再開発地に申込書を入れるところまで行って取りやめるのですが、その時に思ったのは「住宅地で商売した場合、周りに気を使う事が多くなりそう」という事でした

 

やろうとしている店舗はお酒も出すので、当然酔っ払ったお客が出入りします。商業地であれば、多少うるさくても周りもうるさいのでそれほど気にならないですが、シンと静まり返った住宅地だと酔っ払いが一人騒ぐだけでも声が響き渡る可能性が高いです

保育園でさえ騒音問題で騒がれるのに、酔客が暴れたりするとそれだけで白眼視されそうですし、そうなると近所付き合いもギスギスしてしまい住みづらくなってしまいます

最終的には「駅近で両隣が飲食店」という物件を買う事になりましたが、決め手の一つにはこの騒音問題がありました

 

二軒目の内覧

サイトを検索していて、次に見に行ったのは私鉄沿線にある駅から5分蕎麦屋です

大きな通りの突き当りで、その通りには道路拡張の計画があり、もし拡張された場合は隣の家が無くなって大通りに面することになる可能性があるという、将来性もある物件でした

広さ的にはまったく問題なく、更に2階は賃貸で貸せる仕様になっており、収入も見込めるかもしれないというもの。場所も商店街のはずれとはいえ、住宅地へ連なる交差点沿いでそれなりに人通りがありそうな所でした

蕎麦屋自体も、地元の商店街パンフレットに記載があるほどの知名度なのですが、高齢の為手放したいとの事で、まったく問題ないもの

厨房まで見せてもらい、天ぷらを揚げるところや製麺機械など初めて見るものもあり興味深いものでした

願ったり叶ったりですが、ネックはやはり私鉄の駅というところ。各停しか止まらず、ターミナル駅まで15分とはいえ、どこにいくにも出なくてはならない。朝のラッシュに巻き込まれるのは必須な上に、地元以外からお客を呼ぶには微妙な駅という所

 

こちらも物件自体は良かったのですが、立地で納得ができず見送る事になりました

住み替える家3

最初に内見した店舗付き住宅

それは、ある一軒の店舗付き住宅でした

一見昭和モダンのようなつくりですが、リフォーム済

既に店舗となっているので、商売も即可

値段も手頃で願ったり叶ったりの物件なのですが、立地だけが気になりました

 

直ぐに買うとかではないかもしれないけども、とりあえず参考になるかもと思い、内見をお願いすることに。これが今に至る住み替えの第一歩となりました。2016年の11月の事でした

 

実際に見たところ、店舗部分の床張りや、リビングルームの珪藻土の壁など、丁寧にリフォームされていて好感触でした

もともと古い呉服屋をリフォームされたそうで、古いがゆえに体感できないとはいえ若干家が傾いていたりするのですが、それにしても雰囲気は非常に気にいったのです

 

ただ、やはり最初から気になっていた立地。思ったよりは人通りもあり、都電とはいえ駅から近い事もあるので、やりようによっては何とかなるとは思うものの、街の雰囲気としては決して活気があるものではなく、即決するほどではありませんでした

また、その時は建物は家族三人で考えると狭さが若干気になっていました。今考えると最初に見た物件だったので狭いと思ったのだと思います。今確認してみると延床面積は最終的に買った物件の二倍の広さでした。

 

内見した結果、立地と狭さを理由に見送る事にしました

しかし、この後4ヶ月後この物件が急浮上してくるとは、この後思いもしませんでした

 

住み替える家2

 きっかけは東京スタイル

tokyo-style.cc

東京スタイル」というサイトがある。何年か前からちょくちょく見ていて、基本的には賃貸が多いのですが、たまに一軒家や一棟ビルが出ており、且つ中古でもある為手が届きそうな価格だったりするので、色々想像がはたらきます。

多分一番最初に気になったのは入谷辺りの一棟ビルで、1階がラーメン屋か何かをやっていた店舗となっており、上が住居になっていたと思う。

まだ結婚する前だったので、上階に住んで土日だけ1階の店舗で古本屋をやって、とかぼんやり考えたりしていた。

リーマンショック後くらいで一棟ビルといえども3000万台でそんなに高くなかった気がする。今だと古くなったとは言え値上ししていそうではある。

他にも浅草橋駅近の一棟ビルがあって、こちらも結構安い値段で出ていたと思う。

結局その時は具体的に行動することもなく、ぼんやりと想像するだけで終わってしまった。

 

そのうち住んでいた社宅を追い出される事になったので、まず建売住宅を探したが予算3000万くらいの建売だと足立区の五反野台東区の清川など交通の便が微妙な感じの所が多く、中古物件も視野に入れて西巣鴨のガレージ付き中古物件4000万ちょいを散々悩んだ挙句、一人で住むには広すぎると判断し、最終的に何かあった時に売却しやすい駅近マンションに切り替えた。

この時に学んだのは「物件は駅近が絶対」。この教訓のお陰で今回の買い替えが上手くいったと思う。但し、一番お世話になった不動産屋からは結局買うことなく無駄骨を折らせてしまい心残りではあったので、今回の売却にあたってもお願いしようと思って検索したら、不動産屋ごと倒産していたので恩を返すことができなかった…

この時の話も色々あるのだが、今回は関係ないので飛ばすことにして。

 

結局豊洲のマンションを買い、結婚して子供が生まれて、購入から10年ほど経った去年、サイトを見て一軒の店舗付き住宅が気になったのでした。