河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

住み替える家13

次に出てきたのは古屋有りの土地。今は路地の奥の狭い道の角に立ってますが、再開発が始まっており目の前にタワーマンションが建つ予定。路地も拡張されて広い道路になる予定、と将来性が高い立地でした。妻がネットで見つけてすぐに不動産会社に連絡したのですが、担当者が「まだ出してばっかりで資料が揃ってない」とか「他のお客さんからも問い合わせが凄くて手が回らない」とか、とにかく頼りない。買付の申し込みまでした後、最終的に見送るのですが、もし担当者が違う人だったら契約してただろうな、とは思います。

建物自体は古い2階建てで、そのまま住むには厳しいのでリフォーム必須ですが、前面道路が拡張されると容積率が上がって3階建てもいけるようになるとの事。もともと角地で前面が広がって幹線道路の一部となるので店にした場合も目立つし、これから発展するのが目に見えていました。

 

 

住み替える家12

いや、振り出しでもないか。駅近の古ビルがありました。もう買う気でSさんに連絡したのですが、ちょっと問題があるとの事。事前にローンも満額通っていたのですが、大手都市銀行の条件の一つに「境界を確定しておく事」との文言があったのですが、右隣との建物との境界が確定しておらず、更にはビルとビルの間に隣のテナントの看板が固定されており、測量が難しい事がわかりました。加えてビル間は分筆されていて昔何かしら争いがあった形跡かもしれず、ついでに隣のビルはテナントビルでオーナーもその場所に住んでる訳ではないとの事。ひと言でいうと「面倒くさい物件」でした。

 

万が一を考えて、境界が確定しなくてもローンが通る銀行を探してもらっていたのですが、応じたのはY銀行のみ。しかもゆうちょ銀行は窓口だけで実際に融資をするのは、今アパートローン不正融資で揺れるS銀行でした。満額でしたが、とにかく金利が高く、実質投機用のアパートローンと同じでした。

 

場所はいいし、広さもちょうどいい、地下室もあって騒音が出るような事も出来そう、と夢はありましたが、境界確定できないと夢のない金利が付いてきます。リフォームも含めるとその金利で無理ではないがかなり厳しい月額になるので、泣く泣く諦める事にしました。未だにそのビルを見ると、惜しかったな、という気持ちになります。

 

またネットで検索して、出てきたのがまたもや駅から1分の古いビル。広さは狭いものの都心3区の駅近では手頃すぎる値段。連絡するとやはり検討されている方はいます、との事。見に行って、ロケーションは抜群だが前面道路は私道で狭く、ビルも古くて風呂場は使ってなかったらしく真っ黒で印象は悪いものでした。敬遠する決定打となったのは、3階まで一直線に伸びる階段。角度も急で3階で子供が転んだら、1階の入口まで落ちてしまう。もう一つは、周りが飲み屋街なので夜遅くまでガヤガヤしており、教育にはあんまり良い環境ではなさそう、と妻。

夫婦二人ならこれ以上ない環境でしたが、こちらも諦める事にしました。やはり、すぐに買手がついて今は住居になっているようです。

住み替える家11

売却価格をキリがいい数字で押し戻して様子見していましたが、相手も頑として引かないとの事。これで決裂しても仕方ないかと思っていましたが、結論は意外なところにありました

こちらの言い値と相手の言い値の差額は仲介手数料から引くとの事。なるほど。

仲介手数料は上限額は法律で決まっているものの、下げる分については規定が無いので、下げられるわけです。もちろん不動産会社に取ってはその分取り分が減り、Sさんには申し訳ない感じにはなりましたが、ここは泣いてもらう事に。

というわけで、売却は決まりました。結果から言うと、最初につけてもらった相場価格の下限近くでした。買う側も当然相場価格を知っているので、欲張って高い値段をつけても成約するのは相場価格に近くなるものだな、とは思います。とはいえ購入価格からは高く、今自分がその価格で買うかと問われたら、笑顔で「買えません」というしかないです。

利幅はちょっとした宝くじに当たったようなものでしたが、次を買うという目的があるので自由に使えるわけではないのが実に惜しい。とはいえ、次の家の支払いまでには少し間があるので、半分投資信託に入れたら、タイミングが良かったのかちょっとだけ増えました。

 

さて、次の家です。ここで出てきたのが、最初に見た家でした。サイトをみるとまだ売却中とある。広さはまあまあ、値段もまあまあ、もともと営業中なので店舗としてすぐに使える、と場所以外は願ったりかなったり。

早速担当のSさんにあたってもらったところ、昨日売却が決まったとの事。不動産あるあるの一つ「全然動いてなかったのに、買い付けようと思ったら他の人が買ってた」を経験してしまいました。他の不動産あるあるはよく知りませんが、経験したくないものです。

 

というわけで、購入は振り出しに戻りました。いや、駅近のビルがあります。これを具体的にどうにかすれば、と思っていました。

住み替える家10

内覧は支店トップの件数との事ですが、なかなか成約まで進みません。担当のSさんも一度内覧に来ていただいた方に値下げの連絡をしたりとフォローしていただいているようですが、やはりマンション自体の相場が上がり過ぎて、少し狭いとはいえ誰でも買える値段ではない事がネックとなっているように感じたので、再度値段を下げて反応を見る事にしました

 

やはり値段を下げると問い合わせもぐっと増えたとの事。そんな中、Sさんから一度内覧に来た方から反応があったとの連絡をいただきました

「ただし」とSさん、「怒らないでください、もう少し下げてもらえませんか」とのお話。すでに二度下げてるのですが、更に下げるとなると当初よりもかなり下げる事になります。住み替えなので次の住まいの額にも影響を与える事になり、しばし悩む事に

正直、下げた値段でも買った時よりも高い額で利益は出ます。ただ相場としては当初シミュレーションでもらった額よりやや下で、待てばもっと高く買ってくれる方が出てくるかもしれない。でも、これだけ内覧して疲れもあるのと、このチャンスを逃すと繁忙期の2月、3月を超えてしまい、しばらく話がない可能性もある。4月になると買主がぐっと減るので成約しても更に安い値段になる可能性も出てくる

悩んだ結果、下げ幅を半分まで戻して訊いてもらう事にしました。売値何千万に対して下げ幅何十万という額ですが、引っ越しや仮住まいの事を考えると数万円でも高くしたいという思いと、当初売出価格からちょうどキリのいい額まで下げて、それなりに納得できるところという思いでした

 

住み替える家9

値段を下げて内覧や問い合わせは増えるものの、具体的に進む話はなかなか無く、若干内覧慣れというか、内覧疲れというか、マンネリ化してきた感じもしていました

そんな中、内覧に来られたカップル。後ほど聞くと男性は銀行員だったらしいのですが、「もともとの購入値段を知っているが、価格が高いんじゃないか」というような話をされました

まあ、それはそうですよ。ボランティアじゃないんで、次を買う為売り急いでいるとはいえ、買った時安いから安く渡す必要もなく、そもそもそう言うのなら自分で買っておけば良かったんじゃないですかね、という感じにしかなりません

マンションに限らないですが「もともと安いものを高く売る」という行為に対して、厳しい見方をする人がいます。たしかに「転売」や「ダフ屋」は自分も嫌悪感をおぼえるのですが、これが株や投資信託となると嫌悪感がすっかり抜けるのは、市場が成熟していて売り手と買い手が見えづらいからなんでしょうか?

 

また株や信託の場合どこから買っても同じものですが、不動産は1つしかない、という違いもありますし、自分が支払って儲ける相手が目の前にいると嫉妬するのかな、とも思ったりします

 

「ヴィンテージマンション」なんて言い方もあるようですが、マンションも美術品みたいな感じで捉えるとまた違う印象なのかな、とも妄想したり

マザーズオークション」なんてのもありましたね。失敗したみたいですけど。

 

とにかくひとつだけ言えるのは、元の価格を知っていたとしても、売主に伝えたところで良いことはひとつもない上に、悪感情を持たせる事で態度が硬化してしまうかもしれないと言う事です

とはいえ買値より売値が高くなるなんて、ほんの一握りなので、あんまり気にしなくても良いでしょうけども

住み替える家8

住み替えなので、住む先も同時に探していました。

ネットで見ていた駅近のビルは、元々興味がありサイトに掲載していた大手不動産会社に連絡したのですが交渉中との事で、もし決裂したら連絡ください、と言ったまま、何の音沙汰もなかったのです。マンションを売って買い替えている事も伝え、最初に査定をもらったのもこちらの不動産会社でした。査定後も何も連絡はなく、ずいぶんのんびりした会社だとわかるのは、他の不動産会社を当たってからでした。

 

Sさんの会社からもらった物件情報の中に、そのビルが入っていました。さっそくSさんを通して聞いてもらうと、交渉していた先とは契約までいかずまだ売却中との事で、さっそく内見の予定を入れてもらいました。この時点で決裂後に連絡をくれてない事に少々不信感がありましたが、ともかく見にいける事になりました

 

ビルに伺ったところ、売主側の担当者の名刺をみるとメールでやり取りしていた方のようでした。知ったか知らずかわかりませんが、若干バツの悪い感じではあります

ビルは確かに古いのですが、現在おばあさんが一人で住んでいるとの事で、そのままでも生活できるものでした。元々動物病院で、廃業後診察室は事務所として使っており、1階が低いのは駐車場となっているからだそう。地下には動物を入れておく檻があり、私は感じなかったのですが動物臭さが残っているとの事

地下から4階まであるので、部屋数も多く、屋上からは大通りと駅の出口が見えて、場所としては最高でした。その分建物の古さや広さに対して価格は高めで、リフォームまで考えるとかなり厳しいところではありました

一番のネックとなってしまったのは、隣地との境界線が確定しておらず、かつ隣地との間の通路を塞ぐ形で縦長の看板が据え付けてあり、測量もままならないとの事

購入するつもりで大手銀行のローンまで通したのですが、その条件の中に境界確定が必須となっていたのです。万が一も考えて境界確定しなくてもローンが降りるところも探してもらったのですが、大手は軒並みNGで、唯一降りたのはゆうちょ銀行でした。ゆうちょと言いつつ、実際はスルガ銀行が引き受けるもので金利は高く、支払いを考えるとかなり厳しいものでした

 

結局この物件は諦める事になります。しかし、もし最初に売却見積もりをもらった時、そのまま進んでいたら売主買主同じ会社で買っていたのかな、とも思います。最終的には売るのも買うのもSさんの会社からとなったからです。そう考えると、巡り合わせというかタイミングというか、はたまた担当者次第というか、運の要素も大きいのかな、と思います

 

 

 

住み替える家6

前回書いてから、ずいぶん間があいてしまいました。仮住まいからリフォーム後の我が家へ引っ越しして、店舗もオープンしました。とにかく荷物が多いので、すでに家の中が雑然としています。

店が出来るまで待ってもらっていたリフォーム会社のインタビューがあるのに、片付けが一向に進みません…

 

マンション売却スタートとなる最初の内見は、空振りで始まりました。ドキドキしたがら待っていたのですが、直前に担当営業のSさんから「マンションの下まで来たのですが、窓の向きが気に入らないので見るのをやめた」との連絡。この方はお医者さんだったらしいのですが、窓の向きなんて図面でもわかるし、また現地でみるのとは印象も変わるはずですが、とにかくもういいとの事。ずいぶん傲慢だなと思ったのですが、後々考えると最初から興味がないのに漫然と見られるよりは良いと思ったりもしました。

 

次は同じマンションに住むというご夫婦で、結構熱心に見学されて期待が持てるものでした。音楽を職業にされているらしく、廊下側の部屋を防音室にしたらどうか、など具体的な話もあり、また同じマンション内なので勝手もわかるし、これはいけるのでは、と期待したのですが、その後連絡はありませんでした

 

同じフロアで賃貸されている方が来て、賃貸とは内装が違うと驚いていたり、この辺りを何件も回っているらしく最初の印象で興味ないのが丸わかりだったり、他の物件で決まりかけているが、どうしても見たいとの事で会社帰りの夜に内覧があったりと、件数は多いものの具体的に進む事がなく、少しずつ焦りだしました

こちらも物件を探しているうちに、駅1分の元々動物病院だったという古いビルが気に入り、購入に向けて動きだしていた事もあり、Sさんと相談して売却価格を下げて反応を見る事にしました。