河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

住み替える家15

図面が出来たとの事で早速うかがうと、時間がないので所長自ら書いたとの事。見た感じ特に不可もなく、強いて言えば平凡すぎるくらいの見た目。そもそも中古住宅を買おうとしてるくらいなので、新築にもそんなにこだわりがなく、建ててくれればあとは何とかするよ、のスタンス。提案する方はやりづらいだろうなという感じですが、興味があるふりをしても仕方がないので、自然体。

とにかくだいたいの値段まで出してもらい、想定内くらいの値段だったので検討しますという形になりました。あとは土地を押さえれば決まりです。

すぐに不動産屋の担当者に連絡して買い付けを入れる事にしました。事務所まで行き、書類を書いていると、同じ土地を狙っている競合の方の存在を担当者がやたらと言ってくるので、値段は言い値で買うし最初に手を挙げたのはウチなのでそのあたりを考慮して欲しい、買うと言ったら買う、と大見得を切りました。まあ、すぐ後でキャンセルの連絡をする事になるのですが…

住み替える家14

リフォームして再度建て直すよりも、道路拡張を待って新築した方がコストが安いだろうという事で、住宅展示場で家を見てみる事に。

平日に行ったのですがガラガラで、新しい廃墟のよう。モデルルームは開いているのに、呼んでも誰も来ないとか、総合受付に訊いてもどこがやっているのか判らないとか、とにかくやる気がない。

そんな中、一つの工務店が対応してくれました。家の作りは動物との共生を考えてあり、犬猫に加えイグアナや亀がいるモデルルームで、社員はもっぱら飼育係との冗談も。

しかし、提案内容は要所要所でポイントを突くもので、むしろ不動産会社の担当者よりも詳しい。つい先日購入予定の木密地域の近くの建築も手掛けたとの事で、区の条例も引用しながら家の撤去が区の費用でできる事、道路拡張による建築制限の緩和など、次から次へとアドバイスが出てきて、完全に心を掴まれました。あとで「私何歳に見えますか」と聞かれたので30から40代かなというと、まさかの20代でした。出来上がりすぎ。

翌々日には間取り図を作ってくれるとの事で、とりあえずお願いする事にしました。ネットではあんまり評判が良くない工務店ですが、やっぱり営業によるなという事がよくわかりました。

住み替える家13

次に出てきたのは古屋有りの土地。今は路地の奥の狭い道の角に立ってますが、再開発が始まっており目の前にタワーマンションが建つ予定。路地も拡張されて広い道路になる予定、と将来性が高い立地でした。妻がネットで見つけてすぐに不動産会社に連絡したのですが、担当者が「まだ出してばっかりで資料が揃ってない」とか「他のお客さんからも問い合わせが凄くて手が回らない」とか、とにかく頼りない。買付の申し込みまでした後、最終的に見送るのですが、もし担当者が違う人だったら契約してただろうな、とは思います。

建物自体は古い2階建てで、そのまま住むには厳しいのでリフォーム必須ですが、前面道路が拡張されると容積率が上がって3階建てもいけるようになるとの事。もともと角地で前面が広がって幹線道路の一部となるので店にした場合も目立つし、これから発展するのが目に見えていました。

 

 

住み替える家12

いや、振り出しでもないか。駅近の古ビルがありました。もう買う気でSさんに連絡したのですが、ちょっと問題があるとの事。事前にローンも満額通っていたのですが、大手都市銀行の条件の一つに「境界を確定しておく事」との文言があったのですが、右隣との建物との境界が確定しておらず、更にはビルとビルの間に隣のテナントの看板が固定されており、測量が難しい事がわかりました。加えてビル間は分筆されていて昔何かしら争いがあった形跡かもしれず、ついでに隣のビルはテナントビルでオーナーもその場所に住んでる訳ではないとの事。ひと言でいうと「面倒くさい物件」でした。

 

万が一を考えて、境界が確定しなくてもローンが通る銀行を探してもらっていたのですが、応じたのはY銀行のみ。しかもゆうちょ銀行は窓口だけで実際に融資をするのは、今アパートローン不正融資で揺れるS銀行でした。満額でしたが、とにかく金利が高く、実質投機用のアパートローンと同じでした。

 

場所はいいし、広さもちょうどいい、地下室もあって騒音が出るような事も出来そう、と夢はありましたが、境界確定できないと夢のない金利が付いてきます。リフォームも含めるとその金利で無理ではないがかなり厳しい月額になるので、泣く泣く諦める事にしました。未だにそのビルを見ると、惜しかったな、という気持ちになります。

 

またネットで検索して、出てきたのがまたもや駅から1分の古いビル。広さは狭いものの都心3区の駅近では手頃すぎる値段。連絡するとやはり検討されている方はいます、との事。見に行って、ロケーションは抜群だが前面道路は私道で狭く、ビルも古くて風呂場は使ってなかったらしく真っ黒で印象は悪いものでした。敬遠する決定打となったのは、3階まで一直線に伸びる階段。角度も急で3階で子供が転んだら、1階の入口まで落ちてしまう。もう一つは、周りが飲み屋街なので夜遅くまでガヤガヤしており、教育にはあんまり良い環境ではなさそう、と妻。

夫婦二人ならこれ以上ない環境でしたが、こちらも諦める事にしました。やはり、すぐに買手がついて今は住居になっているようです。

住み替える家11

売却価格をキリがいい数字で押し戻して様子見していましたが、相手も頑として引かないとの事。これで決裂しても仕方ないかと思っていましたが、結論は意外なところにありました

こちらの言い値と相手の言い値の差額は仲介手数料から引くとの事。なるほど。

仲介手数料は上限額は法律で決まっているものの、下げる分については規定が無いので、下げられるわけです。もちろん不動産会社に取ってはその分取り分が減り、Sさんには申し訳ない感じにはなりましたが、ここは泣いてもらう事に。

というわけで、売却は決まりました。結果から言うと、最初につけてもらった相場価格の下限近くでした。買う側も当然相場価格を知っているので、欲張って高い値段をつけても成約するのは相場価格に近くなるものだな、とは思います。とはいえ購入価格からは高く、今自分がその価格で買うかと問われたら、笑顔で「買えません」というしかないです。

利幅はちょっとした宝くじに当たったようなものでしたが、次を買うという目的があるので自由に使えるわけではないのが実に惜しい。とはいえ、次の家の支払いまでには少し間があるので、半分投資信託に入れたら、タイミングが良かったのかちょっとだけ増えました。

 

さて、次の家です。ここで出てきたのが、最初に見た家でした。サイトをみるとまだ売却中とある。広さはまあまあ、値段もまあまあ、もともと営業中なので店舗としてすぐに使える、と場所以外は願ったりかなったり。

早速担当のSさんにあたってもらったところ、昨日売却が決まったとの事。不動産あるあるの一つ「全然動いてなかったのに、買い付けようと思ったら他の人が買ってた」を経験してしまいました。他の不動産あるあるはよく知りませんが、経験したくないものです。

 

というわけで、購入は振り出しに戻りました。いや、駅近のビルがあります。これを具体的にどうにかすれば、と思っていました。

住み替える家10

内覧は支店トップの件数との事ですが、なかなか成約まで進みません。担当のSさんも一度内覧に来ていただいた方に値下げの連絡をしたりとフォローしていただいているようですが、やはりマンション自体の相場が上がり過ぎて、少し狭いとはいえ誰でも買える値段ではない事がネックとなっているように感じたので、再度値段を下げて反応を見る事にしました

 

やはり値段を下げると問い合わせもぐっと増えたとの事。そんな中、Sさんから一度内覧に来た方から反応があったとの連絡をいただきました

「ただし」とSさん、「怒らないでください、もう少し下げてもらえませんか」とのお話。すでに二度下げてるのですが、更に下げるとなると当初よりもかなり下げる事になります。住み替えなので次の住まいの額にも影響を与える事になり、しばし悩む事に

正直、下げた値段でも買った時よりも高い額で利益は出ます。ただ相場としては当初シミュレーションでもらった額よりやや下で、待てばもっと高く買ってくれる方が出てくるかもしれない。でも、これだけ内覧して疲れもあるのと、このチャンスを逃すと繁忙期の2月、3月を超えてしまい、しばらく話がない可能性もある。4月になると買主がぐっと減るので成約しても更に安い値段になる可能性も出てくる

悩んだ結果、下げ幅を半分まで戻して訊いてもらう事にしました。売値何千万に対して下げ幅何十万という額ですが、引っ越しや仮住まいの事を考えると数万円でも高くしたいという思いと、当初売出価格からちょうどキリのいい額まで下げて、それなりに納得できるところという思いでした

 

住み替える家9

値段を下げて内覧や問い合わせは増えるものの、具体的に進む話はなかなか無く、若干内覧慣れというか、内覧疲れというか、マンネリ化してきた感じもしていました

そんな中、内覧に来られたカップル。後ほど聞くと男性は銀行員だったらしいのですが、「もともとの購入値段を知っているが、価格が高いんじゃないか」というような話をされました

まあ、それはそうですよ。ボランティアじゃないんで、次を買う為売り急いでいるとはいえ、買った時安いから安く渡す必要もなく、そもそもそう言うのなら自分で買っておけば良かったんじゃないですかね、という感じにしかなりません

マンションに限らないですが「もともと安いものを高く売る」という行為に対して、厳しい見方をする人がいます。たしかに「転売」や「ダフ屋」は自分も嫌悪感をおぼえるのですが、これが株や投資信託となると嫌悪感がすっかり抜けるのは、市場が成熟していて売り手と買い手が見えづらいからなんでしょうか?

 

また株や信託の場合どこから買っても同じものですが、不動産は1つしかない、という違いもありますし、自分が支払って儲ける相手が目の前にいると嫉妬するのかな、とも思ったりします

 

「ヴィンテージマンション」なんて言い方もあるようですが、マンションも美術品みたいな感じで捉えるとまた違う印象なのかな、とも妄想したり

マザーズオークション」なんてのもありましたね。失敗したみたいですけど。

 

とにかくひとつだけ言えるのは、元の価格を知っていたとしても、売主に伝えたところで良いことはひとつもない上に、悪感情を持たせる事で態度が硬化してしまうかもしれないと言う事です

とはいえ買値より売値が高くなるなんて、ほんの一握りなので、あんまり気にしなくても良いでしょうけども