河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

住み替える家24

ユニットバスの壁の色も色んなパターンがあるのですが、結局子供に決めてもらいました。シャワーヘッドは手元で操作できるものと悩みましたが、結局何でもない普通のもの。

キッチンだけは一つグレードの高いものに変えました。決め手はやはり見た目が標準よりも優れているのと、シンクのゴミ受けが使いやすそうな所。特にゴミ受けは毎日使うものなので、妥協して毎日イライラしたくないと。まあコストを考えるとゴミ受けだけ変えればいいという話ですが、コスパばかりで細部にこだわりすぎると、全体が合わなくなってかえって高くつく事もあるので…

個人的にはトイレも吟味したかったのですが、特約店契約で安くなるらしく、パナソニックのトイレになりました。本当はTOTOが良いと思ってたのですが、パナソニックも実際使うとこびり付きも少なく掃除の頻度も減ったので、それはそれでよかったと。

 

お風呂とキッチンが決まり、あとは各部屋のレイアウトを決めていきます。とはいえ狭小住宅なのでそれほどバリエーションがあるわけもなく、さらに一階は店舗、3階はLDKで、2階をどうするかという話です

住み替える家23

もう一つ気になっていたお風呂。ユニットバスのサイズが合えば問題ないとの事。今のマンションの風呂桶の大きさからは1ランク小さくなるのですが、仮住まいの狭い正方形の風呂と比較したら十分広い。

 

キッチンとユニットバスを決めるべく新宿のモデルルームへ。知らなかったのですが西新宿あたりは住宅用品のモデルルームがたくさんあり、回ってスタンプラリーみたいな事もできるみたいです。

モデルルームなので、当然最も見栄えする最上級グレードのものをズラズラ並べて高い方を買わせる、と思いきや、意外とそうでもなく、色んなグレードのものが分け隔てなく並べてあるので、むしろ悩んでしまいます。

例えば、シャワーヘッド。形や機能によって様々なのですが、並べ方は均一で案内の方も「好みでいいですよ」と高い方を押し付ける訳でもないので、むしろ「自分の好みは何なのか」という根源的な問いをされてしまう、という。

以前、モデルハウスを見に行った時に営業の方が言っていた「家作るとドアノブだったり窓枠だったり色々決める事がありすぎて『もう勝手に決めてくれよ』と言われます」と笑っていましたが、まさにその状態でした。

住み替える家22

リフォーム会社が決まったので、次は細部を詰めていきます。

 

家の形は長方形で、ちょっとしたウナギの寝床の3階建て。入り口からすぐ左に螺旋状に3階まで続いています。現状部屋は分かれているものの、スケルトンにするので外側だけ決まっている状態。例えると虎屋の羊羹の箱が3つ重なった形。

 

まず俎上に上がったのは3階リビングのキッチン。当初のプランでは窓に沿ってキッチンが並び、反対側がベンチになっていたのですが、料理している後ろを行き来するのは邪魔かもしれない、と考えて、L型キッチンにして奥に寄せ、対面にする事にしました。冷蔵庫を置くと通路が狭くなりますが、結果的には思ったほど狭くならずに良かったと思います。

デメリットとしてはエアコンの風がシンクに遮られて奥まで届きにくいという事でしょうか。キッチンの反対側はベランダを拡張して大きな窓にした為、その上にエアコンがつけられず、やむなくキッチン側の壁についているのですが、火を使うのでキッチンはそんなに寒くなく、逆にリビングは寒くなりがちなので、今の時期はエアコンの位置はちょっと失敗だったかなーと思います。

住み替える家21

現地調査結果を踏まえての設計図が出揃いました

 

・1社目の自然派リフォーム会社

ある意味正統派というか、普通にやったらそうなるかな、と予想していた感じでした。寝室を一段上げて下を収納にしていたのが印象的。リビングは2階で、風呂は3階。1階の店は広くなりますが、その分居住スペースは狭くなってしまうので、要望とはちょっと違ってしまいました。

 

・2社目のオシャレリフォーム会社

斬新の一言。2階の床ブチ抜いてきました。オシャレ。 お店としてはインパクト大である意味正解だと思うのですが、床を抜いているので当然居住スペースは狭くなります。かつ一階の出入口が開けっ放しだと虫が入りそう、二階の話し声が筒抜けで落ち着かない、などという奥さんの感想もあり見送り。独身や夫婦二人だけでお店に全力投球するなら相当迷ったと思います。ちなみにミニチュア模型を作ってくれたのはこの会社だけでした。あの模型、欲しかったな…。

 

・3社目の狭小住宅得意な会社

要望していた風呂一階、ベランダ拡張の提案、将来に向けて部屋を分けれるような設計など、狭小住宅を得意にしているだけに色々とノウハウが詰め込んでありました。他の会社が2階をリビングにしているのに対し、3階をリビングにして拡張したベランダに続くようになっている。今実際住んでみると2階は薄暗いですが、3階は眩しいくらい明るいので正解だったなと思います。

 

というわけで、3社目に決定。

 

住み替える家20

この時コラージュで書いた暮らしは、今となってはだいぶ違っているとは思います。しかしそれでも生活の輪郭のようなものをハッキリさせた事で、メリハリがなくなりがちな日々の暮らしを、少しだけでも理想に近づけようと考えるきっかけになりました。

「住まいを替える」という事は、「暮らしを替える」という事でもあります。賃借期限とか転勤とか漫然と引越しするのではなく、自分たちで決めて住み替えるという選択は、考えてみれば初めての事でした。その意思の部分を端的に表したのがコラージュだと考えると、あの時期はこんな暮らしを考えていたのかというメルクマールとなっています。

 

理想的な暮らしについてのコラージュを完成させてメールで送りました。現地調査の結果もお風呂一階、ベランダ拡張は可能との事なので、ここでほぼ決めていましたが、他の会社の結果も確認してから返事する事に。

住み替える家19

リフォームの相談に世田谷まで。初めて降りる駅からほど近くに事務所がありました。

最初の面談から社長がお出ましになり、まずリフォームのイメージを膨らませる為に、理想の生活を描いて欲しいとの事。好きなもののコラージュでもいいし、どういうものに囲まれて、またどういう風に暮らしたい。例として社長はキャンプが好きなのでアウトドア風味、車も好きでアルファロメオ(でも社長は持ってない)という感じで写真が色々貼り付けてあるサンプルを出されました。

そして、他の会社では難しい顔をされた「風呂を一階に」という要望も「行けると思います」と即答。さらに今ある幅50センチくらいしかないベランダを内側に拡張して広げるのはどうか、という提案。

ベランダ拡張なんて思いもしませんでした。今ベランダにある高さ1メートルに伸びた柚子の木をどうしようかも悩む必要もなくなります。

 

この時点で6割くらいこの会社にお願いしようと思ってしまいました。今まで訪れたリフォーム会社だと「設計会社」と「施工会社」が別々になっていて、できるかどうかは結局施工会社次第のところがあり、そうなると設計はあまり無理をせず余裕を持つような感じです。

面積が広ければ抽象的な設計でも後の施工で何とでも出来ますが、なにせ狭小住宅なので詰め込むだけ詰め込むしかなく、そうすると「風呂が一階」というのがかなりネックになる。しかし設計と施工が同じ会社だと、入る入らないはすぐに判断できる為、設計もかなり具体的に出来る、という感想でした

 

ここで決めてもいいくらいでしたが、コラージュという宿題をもらって帰りました。妻も私もこの手の課題は大好きなので、それぞれ作成する事になりました。理想的な暮らしとは何か、を考えるのは初めてで、普段意外と考えていないという気づきもありました。

住み替える家18

次に頼んだのは、「オシャレなリフォームといえば」という会社。リフォームセミナー後に個別相談会があるとの事で、渋谷までやってきました。

1件目の会社よりも働いている人も雰囲気が若く、活気がある感じ。担当の人は五十代くらいのクリエイター然とした方。建築確認済証や容積率の確認など、リフォームより建築基準法などにまつわる話が多く、逆に言うと客が一番気になるリフォーム内容には自信があるわけで、とにかく意識が高い感じがうかがえます。とにかく現地確認しないと進まないという事で、その日は終了。

 

1件目と2件目のリフォーム会社の現地確認の日、こちらとしては「風呂は一階でもいい」とか「階段の場所を変えたい」など、何となくの希望を伝えつつ、図面と建物のチェックをしてもらいました。

1件目の自然派リフォーム会社、鉄骨に吹き付けて

ある白いものが気になるらしく「アスベストかどうか調べたい」との事。費用もこちら持ちで五万くらいだと。これまでそんな話は全く無く、買った時にも「アスベスト検査無し」と説明されており、やる必要があるかどうか考えましたが、やっておくに越した事はないと決めお願いしました。ちなみにこの会社以外にはアスベストについて質問されなかったので、やる必要なかったかもとは思います。次は必要になるとしたら解体の時だろうし。

2件目のオシャレリフォーム会社、イケイケのイメージそのまま、担当者が酒くさいままやってきました。設計担当は若い人で、あとで検索するとやはりオシャレなリフォームの施工例がありました。2件目だった事もあり、あまり詳しくは覚えてないですが、やはり容積率や建築確認の話が多かった気がします。

 

こちらの要望は「1階に風呂と店」「2階、または3階にリビング」と言う事でした。とにかく狭いので1階は店が狭くなったとしても風呂を下に下ろして居住スペースを少しでも確保したいと。しかし「1階の店」に惑わされるのか、またはユニットバスが入らないと判断されたのか、どちらの会社も風呂は3階に持ってきそうな感じでした。

 

他にも住居に強い地元のリフォーム会社にも相談しましたが、店舗は自信がないらしくやんわりとお断りされ、次にネットで検索して狭小住宅に強いというリフォーム会社に相談して見ることに。

 

最終的にはこの会社にお願いする事になります。