河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

最強のアイドルは存在しないこと(ある意味芳賀ゆい)

童話でお馴染みの「かぐや姫」「人魚姫」などが、実際に存在した小野小町楊貴妃よりも高い人気を保っているという事から、存在しないことがアイドルとして最強なんじゃないか、と思ったわけです。

 


【魅惑のアイドル歌謡】 芳賀ゆい - 星空のパスポート - YouTube

芳賀ゆい」を知っている方は、結構お年を召された方ですよね。というか、作詞が奥田民生だと初めて知りました。全然気付かなかったな。

 

なぜかアンサイクロペディアがまともな記事にみえるのですが…

http://ja.uncyclopedia.info/wiki/芳賀ゆい

その訳は、実際には存在しないアイドルだからです。

芳賀ゆい - Wikipedia

 

存在していると思い込む事で成立しているアイドルなので、「アイドル」の原義通り「偶像」です。

存在しないのに存在しているがごとき扱いをされてる訳ですから、「熱愛発覚」なんてスキャンダルなぞネタ以外に起こしようがないわけです。安心して応援できるというものです。

 

二次元も同じようにキャラクター同士の魅力は相対的ですが、存在しない事による魅力は相対的なものではなく、絶対的なものになります。アイドルが魅力的かどうかは、その人自身が存在を信じるかどうかに掛かっており、個人的な判断に委ねられるという事は、すなわち一人一人の思いが違うという事が前提になっている訳です。

「比較できない」という強さはある意味自己満足となり社会的に暗黙の了解とされているものに対する害悪ともなりえるのですが、ことアイドルに関しては自己満足こそが絶対的な価値なのでむしろ強さに変わるのです。

 

しかし、アイドルの人気に永続性があるかというと、童話とは違って長続きしないように思えます。自己満足できなくなった時、簡単にいえば飽きてしまった時に存在しないとはいえアイドルの命脈も尽きてしまいます。芳賀ゆいには幕引きが用意されましたが、仮に続いていたとしてもいつかは飽きられていたでしょう。

 

この「飽き」に対抗できる「非−存在アイドル」に一番近いのは、今のところ初音ミクですが、この先どうなるのか予断を許さない状況です。少なくとも一時期よりは飽きられてきている気がしますが、初音ミクの登場は2007年で、今人気のあるももいろクローバーZももいろクローバーとして結成されたのが2008年と同じくらいなので、少なくとも10年は経過しないと判断できないように思えます。