河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

地名の本と人口集中

書店を覗くと、東京の地理の本のコーナーが出来ている事があり、結構興味があるので立ち読みしたりします。坂名の由来が何かの冗談みたいな理由だったりするので、結構おもしろいです。「帯坂」は「帯を引きずって逃げたから」なんて、そんな一瞬の出来事が由来になるのか、とか。

自分が住んでいる場所の変遷や地名の由来など、実生活にはあまり役に立たないのかもしれませんが、知ることで何となく地元愛的なものが湧いてくるのかもしれません。ただ電車で通り過ぎる街も、実は急な坂があると知って降りて散歩してみたくなる事があります。

 

しかし、地元でもなく電車でも通りすぎない街の地名の変遷に興味を持つのは、結構厳しいように思えます。観光地になるほどの風光明媚な場所であれば別ですが、単なる住宅地が広がる所の地名に興味を覚えるのは、実際に住んでいる人がほとんどでしょう。

 

そう考えると、書店でコーナーが組めるほど地名に関する本の点数が多いのは、大都市圏に限られるわけです。つまり人口の多さと地理本には相関関係があるのではないでしょうか。

 

地方では平成の大合併により、むしろ地名は減り広範囲が同じ地名となってしまった状態ですから、ますます地名の由来は希薄になったように思います。人口の集中が地名の歴史に優劣をつける一因になるわけですが、この傾向はこれから先も更に進んでいくと思われます。

 

スーパービジュアル版 江戸・東京の地理と地名

スーパービジュアル版 江戸・東京の地理と地名