河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

住み替える家5

買いたい物件が空振り、そして三軒目の内覧とマンション売却開始

次の候補物件は前回見た蕎麦屋とは正反対の方向の私鉄沿線沿いの元人形屋のビル。

縦長ではあるもののとにかく広く、生活するには十分。大通り沿いで駅からも近く、価格も手頃でした。

と、図面上は言う事なしだったのですが、結局見に行くことができませんでした。

とにかく持ち主との都合がつかず、内覧は平日か日曜じゃ無いと駄目、日曜もギリギリまで予定がわからずと、すれ違いっぱなしでいつの間にか話が流れてしまいました。

 

自分がマンションを売り出した時は、なるべく多くの人に見てもらって確率をあげようと、平日の夜8時から見たいと当日言われたのも受け入れた事がありました。個人的には売り出しには色んな事情はあるにせよ、本当に売りたいのであれば購入見込み客の多少のワガママに付き合うのも仕方がないと思うのですが、そのあたりは人それぞれの考えなのでしょうね。

 

次に気になったのは、会社に近い地下1階地上5階のビル。値は張りますが買えない値段ではなく、その分古い。駅徒歩1分。大通りから目立つ。

早速仲介の大手不動産に連絡しますが、まずもって言われたのは1階が駐車スペースなので天井が低すぎて店は無理だとの事。問い合わせは多いが、皆それで諦めているという話でした。加えて現在交渉中で決まりそうだとの事であえなく却下。ついでにマンションの査定も頼んで、それなりの金額で出てきたのですが、目的の物件が買えないので、そのまま話が終わりました。

この物件、そのまま終わるかと思いきや、2017年8月の今でも売れていません。

その時交渉中だった業者は更地にして建て替えるつもりだったらしいですが、頑丈に杭が打ってあるらしく、解体に思った以上の費用がかかる事がわかったので、値引きを要請したものの決裂したそうです。

交渉が決裂したら連絡をくださいと言ったにも関わらず連絡はなく、結局他の不動産仲介を通じて内覧もし、購入直前までこぎつけるのですが、それは後のお話。

一言添えると、この一連の流れでこちらの大手不動産には良い印象がまったく無くなってしまいました。マンションの売却もこちらにお願いしていれば、この物件を買えた可能性もあったと思いますが、このあたりは担当者の当たり外れだったのかなと思います。

 

次に見に行ったのは、会社から徒歩で通える距離で、広さも価格もまあまあという戸建てでした。駅から徒歩8分で商店街の奥ではありますが、会社まで徒歩10分くらいというのがとにかく魅力でした。

これまでの仲介は大手では無い所がほとんどだったのですが、ここは大手が仲介でした。もともとマイナー志向なので大手不動産仲介は高そうだし、そもそも大手では店舗兼住居というニッチな物件を扱っていないのでどうかなと思っていたのですが、今思うと大手は大手だけあって、安心感が半端ないです。不動産仲介の手数料は法律で決まっているので大手も中小も同じ額ですし、銀行とのやり取りもお願いできてスムーズです。もちろん、その分お金は掛かっていますが、最終的には新居の火災保険や賃貸の紹介もお願いしており、とにかく不動産関係の話はワンストップで済んでしまうのでのちのち楽でした。

物件は通りから私道を入った真ん中の家で、1階はデザイン会社の事務所になっていたとの事。とにかく広くて、デザイン会社だけあって本棚もあり、そのままブックカフェが開けそうな感じでした。2階3階も生活するには十分な広さ。

良い事ずくめで、値段もこの場所と広さにしては安めなので、何かあるのかと訊いた所、一つは私道であること、もう一つは実は隣と境界についてちょっと揉めているとのこと。また、お互いに屋根が越境しており、隣の建物自体も古くて寄りかかってきているので、建て替えやリフォーム等、何か工事をする際にはお互いに確認書が必要になると思われるのですが、隣は空き家で所有者も遠くに住んでいる為、簡単にはもらえそうにないという事があり、その分も価格に反映されているという事でした。

 

店をやるには前面が私道はちょっと近隣と揉めそうという事に加えて、境界の点も気になった為、この物件も見送る事になりました。

後に訊いた所、中国人の方が購入されたそうで、リフォームせずにそのまま住むなら境界や確認書を気にしなくてよいし、外国人だからこそ権利関係もあまり気にしないのかな、とも思いました。

 

そして、この時の物件担当であったSさんに、マンション売却のお願いもすることになります。結局、最後の最後までSさんのお世話になりっぱなしになりました。結局、不動産といえども、担当営業の影響は大きいと思います。