河底0メートル

いわれてみれば、たしかにきこえる

半径5メートルの視野で答えを出さないで

昨日、新聞を読んでてまたイラッ☆と来たので、備忘録的に。

例によって「はあちゅうの東京ミーハーダイアリー」なのですが。

 

ざっと要旨をまとめると、こんな感じ。

「世界一の空港」というタイトル。錚々たるメンバーと共に日本の観光について意見交換をした時に「空港の印象がその国の印象になる」と話した筆者。世界一の空港との呼び声高いチャンギ国際空港は利用者を飽きさせない工夫がされていた。日本の空港も京都や秋葉原みたいにならないか。

「じゃあ、京都や秋葉原持って行けや。もしくはチャンギ空港真似しろや」としか言えないんですけど。

「錚々たるメンバー」の名前まで出しておきながら、そのメンバーの意見はひとつも紹介されず、「わたしがいったことのある、すばらしいくうこうのはなし」というプチ自慢を書き連ねる事に対して、イラッと来るのです。

 

チャンギ空港が持つ「利用者を飽きさせない工夫」という視点はいいと思うのですが、なぜそこから「京都や秋葉原」というどだい無理な結論にぶん投げてしまったのか。

そもそもチャンギ空港を通してシンガポールという国にどんな印象を持ったのか、という一番大事な点がスッポリ抜けて、「日本=京都や秋葉原」という「印象」だけに引っ張られた空疎な結論を持ってくる辺り、「チャンギ空港言いたいだけちゃうんか」という印象が拭えないのですよ。

 

某イケダハヤト氏もそうなんですが、どうも「自分一人だけが素晴らしい仕事をしている」という幻想に囚われているよう。そこにはチームワークとかリスペクトとかなくて、あくまで全ては自分の仕事の踏み台にしか過ぎないという思い込みが透けて見える。

 しかも、その仕事は自分の目の届く半径5メートルくらいで完結する世界なので、「狭く浅く」でツッコミどころ満載になっているのですが、とにかく自分の仕事は世界一だと思い込んでいらっしゃるようなので、他人がとやかく言おうが気にも留めてくださらないわけです。

 

もちろん稀有な経験をされていたり、軽妙な語り口であったりすれば、自分語りも苦にならないどころか面白くて仕方がないわけですが、若干目新しいだけの経験をさも私だけしか体験していないかのように語り、しかも面白い切り口で見せる工夫もなくただただ言葉を垂れ流している姿は、私小説批判を思い出してしまうのです。

 

まあ、ブログは私小説以上に極私的なのが前提でよいのですが、本とか新聞も同じノリでやられると、何だかなあと思いやられる部分があるわけです。ブログだったら見ないという選択肢がありますが、新聞だと何ページの何段目なんて決まってないので、イヤでも目に飛び込んで来るわけです。

 

このようにダラダラと書き連ねるのもどうかしてるぜ、と思ってきたところですが、とにかく朝日新聞もよいけど毎日新聞もご一考願えればと思う次第でございます。というか、人気あるのか、あのコラム?

 

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